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リワールド・フロンティア

国広仙戯著。TOブックス刊。

 剣と魔法・冒険者と竜な異世界において少年が少女と出会い、ダンジョンを攻略しながら成長していくよくあるおはなし……

 と思っていたらだいぶSF寄りでした。おのれたばかったな(たばかってません
最近のよくある話は転移・転生系ですしね。このお話はそうではありません。

 というわけで、王道ファンタジーであり、王道ボーイ・ミーツ・ガールであることは間違いがないのですが、専門用語などはわりと現代寄り。
前述の通り剣と魔法の世界ですが、同時に演算と物理の世界でもあるという、あまり類を見ない形です。

 今回は第一巻であり、デビュー作でもあるということで、お話は世界観の紹介と、主人公と少女が出会い、絆を深めるきっかけを得るところまでとなります。

 主要人物はこの二人。

・ラグディスハルト

 愛称ラト。数人~数十人のパーティを組んでダンジョンを攻略することが常識であるこの世界において、誰にもパーティに誘ってもらえないかわいそうな男の子。
その理由は「冒険者の中ではオワコンとされているバフ使い」だから。
故に彼は今日も一人でダンジョンへと赴くのである。受け。

・ハヌムーン

 愛称ハヌ。ぽっくり下駄にヘテロクロミアあとふんどしがトレードマークののじゃロリ幼女。
その正体は遠い極東の現人神であり、攻撃魔術の腕は超一級。
のじゃロリなので当然のように訳ありのようです。攻め。

 こう書くと「えっなに気弱主人公をひっぱるヒロイン無双系なの?」と思いがちですが、よく考えて頂きたい。
バフ使いがバフを載せる相手を見つけられなかった結果、自分に全載せすればどうなるのかということを……!

 つまるところ、そんなお話です。このあたりが少しギミック的というか、王道の中でも「王道を外す」感じでとても好き。
というか誰だバフ使いがオワコンだとか言っているやつは。東京やシュヴァルツバースなら死ぬぞ……!

 もちろん、前述の通りのボーイ・ミーツ・ガール。ラトくんとハヌさんの出会いからの初々しい関係もてんこ盛り。
まだ恋愛には発展する気配はない……のですが、ぼくは何度か「もう式場が来い」と叫びました。読みながら。

「やたらかっこいい横文字の魔法」「補助系」「重ねがけ」「なんだか大変なことになってしまったぞ……」
このあたりのキーワードに反応するバフ好きの皆さんなら、おそらく大満足するのではないかと思います。

 あえて苦言を呈するならば、ヒロインであるハヌの出自や掘り下げがほとんどなかったこと。
続刊も決まっているからこその構成なのでしょうが、ぼくは! もうちょっと! ハヌのことが! しりたかったんだよ!
……まあ、この「ハヌのことをなにも知らない」ことが終盤のカタルシスに繋がっていくわけなので、文句を言うところでないのですが。

 それでも! ぼくは! ハヌの!(略

 リワールド・フロンティア。おすすめですよ。